相馬DIEののっとムフフな日記



...2005/06/01(wed) No.581
   映画:『タナカヒロシのすべて』

本日は映画の日なので映画を観てきた。
シュールな芸人鳥肌実主演のシュールな映画。
"日本一不器用な男のちょっとだけいい話"
というキャッチフレーズのこの話。

カツラ工場勤務の口下手な男タナカヒロシ。
年の頃は32と、そろそろ結婚を考える年頃。
親にも友人にも口うるさく結婚結婚言われるも
本人に全くその気なし・・・。
そんな彼に次々襲い掛かってくる不幸のお話・・・


まずは全体的にギャグ映画なのだけれど笑いが非常にシュール。
主に"間"で笑わせているために、万人受けする笑いではないかも。
個人的には主演の鳥肌実が好きなので、
もうそれだけで笑ってしまうのだけれど・・・(笑)。
基本的にジョークもブラックな物や風刺的なものが多く
そのギャグも人によっては嫌な気持ちになるかも。
結構くすくすげらげら笑ってたんだけれど・・・。
すごく濃いキャラクターの鳥肌実、そんな彼がこの役では
ミスキャストではないかなと、見る前は思っていたけど、
大人しくて口下手な男を演じることで逆に現実感が遠のいて、
余計なことを考えずに笑いに浸れるようになっている。
あくまで鳥肌実を知っている自分の前提だけれど・・・。


現代劇なのだけれど、BGMや、工場風景、
そして埼玉の郊外の風景、登場人物の衣装等
なんとなく昭和を感じさせるテイストの映画。
古めかしい感じなんだけれど
それが逆にこのタナカヒロシを引き立てる。
と、言うのは、不器用な男タナカヒロシ、
この男は他の人とのコミュニケーションもあまり取れず
自分の世界に閉じこもりがちなちょっと変わった男・・・
なのだが、これって何気に現代の都会に多いのではないか・・・
多くないとしても、そういう人がたくさんいるような
そういうメディアの報道が世に溢れている。
そうすると、あながち変わった男ではなくなってきてしまう。
そこで、この昭和テイスト、人のつながりが今よりも濃く
今よりも温かみがあるというイメージの時代風の中に
この男を置くことで余計に変わった男という感じがする。


結局中身があまりない映画。
主人公が自分を変えるために努力をするわけでもないし
不思議ともてたからといって特にどうなるわけでもない・・・
何なんだろう、この映画・・・。


それにしても笑いがシュール。
テルミンと俳句の会とか、なんなんだ、と(笑
全体的にナンセンスばかりがちりばめられたナンセンス映画。
それでも最後まで楽しく見られたのは、
そんなナンセンスな笑いが自分のセンスにあっていたのと
小さなエピソードが連続してテンポ欲連なっていること、
そして何よりどこか異様なオーラを放つ鳥肌実の存在感のおかげだろうか。

万人にはオススメできない映画だけれど、
自分の中ではちょっと好きな映画。


そして最後のあの展開には思わず大爆笑。
そんな映画みたいなことをホントにやるか!?(笑

タナカヒロシのすべては7(/10)点

公式サイト
http://www.tanakahiroshi.net/

鳥肌実
http://www.torihada.com/

...2005/06/04(sat) No.582
   映画:『エレクトラ』

劇場招待券が当選したのでエレクトラを観にいってきた。
この映画、デアデビルの続編なのだけれど、
確かデアデビルも劇場鑑賞券が当選して観た気がする。


闇に生きる女暗殺者エレクトラ。
真紅の衣装に身を包み、大金で暗殺を請け負う
無敵の暗殺者の名前はすでに伝説になりつつあった。
そんな折、いつものようにエージェントから
暗殺の依頼があったのだが・・・。

『デアデビル』に登場するキャラクタ、
エレクトラを主人公に置いたこの作品。
でも、『デアデビル』観なくても一応問題なし。
とりあえず、以前の闘いで死亡した女闘士の話です。

見る前から結構B級臭がぷんぷんしていたのだけれど、
結構それが嫌な感じで予想通りに・・・。
まず基本的なコンセプトは、ジェニファーガーナーみたいに
すらりと長い手足の女性にアクションをやらせたら
結構格好良いんじゃない?ということだと思うのだけれど、
どうもそのアクションシーンがお粗末な感じ・・・。
何故かというと、まずアクションがとっても見にくい。
と、いうのもすごい速さで格闘を展開しているのに
カメラが近くて全体像が捕らえづらい、
一つ一つのカットがとても短くて、流れを感じづらい
というのが全体的な格闘シーンの印象。
さらには画面中に布を撒き散らして(コレは効果なのだけれど)
余計に動きが見づらくなってしまっているシーンも・・・。
上手く演出できればきっと格好良いのだろうけれども・・・。

ストーリーに関しては、ちょっと詰め込みすぎかもしれない。
インタビューか何かで、単にアクションシーンだけでなく
エレクトラの内面まで描いた映画に仕上がった、との
コメントをしているのだけれども、あまりに詰め込みすぎていて
何が重要なのかの焦点が少しぼやけているような・・・。
人間関係も無駄に複雑だったりして、彼女の父親母親を描くとしても
それをさらに敵に絡めたりだとか、しなくていいのではないか。
無駄に結びつきが強いのは、関係性を高める以前に
見る側がついていけないように感じる。
きっとそこまでの因果関係は必要ない。

そしてもう一つの大きな欠点は、敵キャラクタがあっさりと
止めを刺されすぎていてなんとなく弱そう。
能力を見せるまでは強そうなのにもかかわらず、
その能力を駆使せずに負けてしまっている感じ。
あそこまで追い詰めたり、少し前まではメチャクチャ強かったりしたのに、
コロッと負けてしまう・・・アレ?みたいな。
時間的な制限のせいなのだろうか・・・。
それだったら余計にストーリー詰め込みすぎない方が・・・。


この映画の見所はCG技術と序盤10分のエレクトラの活躍シーン。
SFXを駆使した画面技術はやはりすごい出来。
体に彫られたタトゥーから実際にその動物が飛び出す瞬間は
かなりグロくていい感じ!
ウネウネと体の内部から出てくる生き物がもぅ・・・。
毒手拳の使い手が森の中の葉をどんどんと枯らして行ったりとか
そういうようなSFXを使った特殊効果は流石。
まぁ、でもそういうのは映画を魅せるための
効果のひとつに過ぎないのだけれども・・・。

冒頭のエレクトラの暗殺シーン。
暗殺者エレクトラのイントロダクション的なシーンです。
不気味だけれど、美しい真紅の暗殺者の登場シーンとしては文句なし。
怪しく忍び込み、暗闇の中邸内の兵を次々と倒していく。
その存在に気付くのは殺される瞬間。
最初の10分観た時点では結構期待したんだけれどなぁ・・・。

エレクトラを演じるジェニファーガーナーのアクションも
デアデビルの時のすっとろい動きではなくなって
かなり切れがあるように見えたので、かなり良かったんですが・・・。

かなりひどく書いているけれど、どれももう少し変わると
かなり大化けしそうだったのに、結局どれも今一歩で終わってしまった、
そういう印象を受けた映画だった・・・。


公式サイト
http://www.foxjapan.com/movies/elektra/

...2005/06/05(sun) No.583
   似顔絵IN井の頭公園

今日も似顔絵を描いてきた。

本日の合計は7組10人。
合計収入は4000円。
本日もありがとうございました。
現在の累計金額7000円


今日描いたのは隣でフリーマーケットをやっていた
タクシー運転手のお姉さんと、その友達のネイルアートのお姉さん、
美男美女カップルに、大学生息子と東京に出てきた母親さん、
先日父親と長女を描いたかたの次女と母親、
おじゃ魔女の靴を履いてた女の子に、梅干好きな男の子。
結構頑張ったような感じぽい!

2回目をやって、わかった、というかやっぱりという感じなのだけれど
やっぱり午前中よりも午後の方がお客さんとしてきてくれる人が多い。

書き入れ時は午後2〜4時という所。
その時間帯は似顔絵のターゲット層である
カップルや親子連れやらが多くなるので、
やはりその時間帯のお客さんが自然に多くなる。


今回は前回娘と一緒に描いた人が、もう一人の娘と
奥さんを連れてきてくれた。
しかも前回差し上げた絵を本当に額に入れて飾ってるとか!
そうまでしてもらえると、本当に描いた身として嬉しい!!
父親と長女の絵しかないと後々なんか変な感じなので、
家族全員分の絵を描いて欲しかったと。
あんまり絵が気に入らなければ飾ったりしないと思うし
家族みんなの分をそろえたりもしないんじゃないかと思う。
帰り際に『ずっと大事に家族の宝物にします』と言われたのが
とっても嬉しかった!
本当に全く知らない家族の思い出の1Pに
自分の描いたものを加えてもらえるって、
なんだかあまり味わうことができない感動!
これからも頑張ろうと言う気がモリモリ起きてくる!


今日は帰り際に隣でデザインTシャツやCDなどを売っていた姉さん方に、
『描いてもらいたかったけれど、
忙しそうで話し掛けられなかったから今度描いて下さい』
と、言われたのも嬉しかった。

やっぱり全く知らない人に、それこそネット等でも面識のない人に
自分の絵を少しでも認めてもらえるのは嬉しい。
話す技術(?)をあげる修行でもあるし、
絵を描くモチベーションUPにもなる。
やっぱり喜んでもらえたり楽しんでもらえたりすることが
自分の行動の原動力になるんじゃないかと思う。

頑張ろう。

...2005/06/06(mon) No.584
   映画:『電車男』

なんだコレ!?と思うほどのメディア展開を広げて
今やにちゃんねらーでなくとも知っているほどの流行『電車男』
書籍化、漫画化に続きついに映画化。
中谷美紀似のエルメスを中谷美紀が演じるこの作品。
そのほかにも色々なジョークが作中に張り巡らされている。
とりあえずにちゃんねらーとして映画観てきました。


予想していたよりも全然面白かった!
ちゃねらならわかる笑いというのと、
普通の人から見ておかしいオタク像があいまって、
なかなかよい感じに笑うことが出来た。
劇場も結構沸いていたのだけれど、笑いどころがちゃねら(笑
やっぱりにちゃんねらーの鑑賞者が多かったのか・・・
それとも普通ににちゃんねらーの存在率が上がっているのか・・・。

もろにオタクっぽい電車男がおどおどしながら
女性に電話をかけているシーンは普通に笑えるし、
それをディスプレイの向こう側で応援している人たちも笑える。
けれどそれが次第に、電車男頑張れ!と本当に思えてくるので不思議。
普通の恋愛映画のように主人公達に感情移入するだけでなく
むしろ、ディスプレイの向こう側にいるスレ住人の一人になって
彼らを応援するというスタンスで見ることが出来る。
人を応援し、その人が少しずつ変わっていく様を見て
勇気をもらい自分も変化していく。
幸せは伝染するってのは僕の持論だけれども
きっと勇気だって伝染するんだなぁとこの映画を見て思った。
きっとポジティブな心情って言うのはそういうものなんだ。
誰だって本当は幸せになりたいし、幸せになるために頑張りたいはず。
2chというネガティブなイメージが強いものを媒体にしても
(あくまで2chを良く知らない人のイメージ)
こういうような人の温かさだとか勇気だとか
そういうものが飛び交って人を変えられるってすごい。


それにしても、オタクの演出とか2chのレスの演出とか
色々なところで面白かったなぁ。
キター!って実際に叫ぶのはちょっとアレかなぁと思ったのだけれど
あまり連呼したりしてなかったのでそれも全然許容範囲。
ただやっぱり用語を知らない人にとってはわからないこともたくさんありそう。
毒男やら、爆撃やらキボンヌやら・・・。
やっぱりある程度原版の電車男を読んでいる人向けなんだろうなぁ。

勿論映画の尺を考えると全てのエピソードを詰められるはずもないので
はしょられたエピソードもいくつか。
だからきっとこの映画の正しい見方は頭の中で端折られた部分を
補完しながらその映像化を楽しむという感じなんだろう。
映画だけで見るとエルメスの友人とか出てくる意味皆無だし(笑


すごいスピードで変わっていく電車男と、
少しずつ変わっていくスレ住人の姿はやっぱり見ていて感動する。
電車男を対岸のホームから応援するスレ住人達のシーンでは、
思わす涙がこぼれそうに(笑
きっと、電車男を応援する言葉は自分たちに向かって
投げかけていたんだろうなぁと感じる。
行動できなかった自分たちをもう一度奮い立たせるために
人を応援する言葉を借りて自分達も変わっていく。
きっとリアルなスレでもこういう変化を起こした人は
きっといるんじゃないかと、そう感じさせてくれる作品だった。


告白シーンを原作通り公園にせずに場所変えたのは
個人的にはイマイチかなぁ・・・
まぁ、あの場所は確かにオタクにとって特別な場所かもしれないけど
いいじゃん、公園で・・・と思った。
でも、まぁ、告白成功後のちょっとした演出は楽しかった。
人によって一番好き嫌いが分かれるシーンかなぁ。


あと何気に特撮畑出身者が沢山でてるのは
やっぱりオタクをターゲットにしているから?(笑
仮面ライダーナイト、アバレイエロー、アバレキラー・・・
でも、アバレイエローとキラーはどこに出てるかわからなかった・・・。


なんだかんだで個人的な満足度はかなり高い映画だった。
おもしろかった〜

『電車男』は9(/10)点
コレだけ流行っているのに、悔しいけど面白かった(笑

公式サイト
http://www.nifty.com/denshaotoko/

...2005/06/07(tue) No.585
   映画:『いらっしゃいませ患者さま』

借金によりヤクザに明渡す寸前の近場病院に
偶然入院してきた風俗界の怪しいコンサルタント恩地。
ひょんなことからこの男が病院の建て直しをはじめたもんだから・・・。


ナンセンスギャグ映画。
病院やら患者やらを馬鹿にしつつ映画を作ってあるので、
真剣に見ないで笑うのがいい感じ。
真剣に見ちゃうと怒っちゃう人もいそう、馬鹿にすんなと(笑

風俗業界の立て直し人なだけに、立て直し方法も
ナース指名制・同伴人間ドッグ・口移しバリウムなどと
明らかにおかしいサービスばかり・・・けれどもそれが患者に大受け!
そんなバカっぽい映画なんだけれど、あまりにも馬鹿すぎて笑える。
そんなただただ笑うだけの映画かと思っていたけれど、
病院に対して真面目な院長と看護婦がいるおかげで、
単に笑うだけの映画でなくてちょっとだけ心温まる映画に。
二人とも不器用で、器用に人気取りや愛想をよくしたりすることができない、
だけれど、患者のことをまじめに考えている看護婦
自分の引き継いだ病院のことを考えている院長が、
変わっていく病院を観ながら、少しずつ成長していくのが
笑いの中にもちょっとした成長劇になっているような感じ。

そしてヤクザの組長として出演している藤岡弘、。
カッコイイ!ヤクザ役なのに単にすごく悪い奴なんじゃなくて
筋の通った、そして下のものを考えている男気溢れる組長。
なんかこのキャラクタがいるだけで映画が引き締まってるなぁ。


それにしてもこの病院の立て直し案、実際には出来ないけれど、
実際にあったら本当に人気が出るだろうなぁ(笑
ぶっとんでいるありえない病院って言うのが笑いのポイント。
おっして人斬り以蔵とか、なんか妙なところをついてくる笑いもおもしろい。
全体的にブラックユーモアなんだけれど個人的にはかなり笑えた。

そしてなぜだかオペのシーンをやけに生々しく描いていたのが不思議。
そこまでちゃんと描かなくてもいいのに・・・という感じ。
でも最後のシーンではそうすることでよい緊迫感があったかも。
おちゃらけながらおかしなサービスをさせている恩地も、
病院とは何かを問われると、サービスは患者の命を救ったその後の話と
本来あるべき病院の姿を説いている。
これって、汚職やら利権やらそういう問題に対しても
呼びかけているのかもしれない。
それをこのトンデモ改革をやっている張本人に言わせたのも
映画製作者の意図が少しうかがえる。

まぁ、でも基本はお笑い映画。
トンデモ病院と割り切って難しいことは考えずに
ケラケラと笑いながら2時間過ごせれば楽しい映画。
ちょっとえっちぃよ。


『いらっしゃいませ患者さま』は6(/10)点

公式サイト
http://kanjasama.com/

...2005/06/10(fri) No.586
   映画:『ミリオンダラーベイビー』

2004年アカデミー賞の主要部門をガッツリ取った作品。
予告編やタイトルから予想していた内容は、
女性なのに泥臭い、スポ根的サクセスストーリー。
でも、実際はとてもとてもそんな作品ではなかったのに驚き。

ウェイトレスをしながらボクサーを夢見る31歳の女性マギー。
女性プロボクサーとしての成功を志すマギーは、
名トレーナーフランキーのもとを訪れる。
フランキーは、女性の面倒を見る気はないと突っぱねるが、
毎夜一人で練習を続けるマギーの姿に根負けをし、
彼女のトレーナーになることにするが・・・てなお話。


序盤から中盤にかけてのサクセスストーリー。
マギーの馬鹿がつくほどの練習に感心しつつ、
そのマギーの姿に感情移入できるからこそ
フランキーが、彼女の差し伸べた手を握る瞬間や
彼女が試合で勝って行く姿を見ることで
同じようにその感激や喜びを受け取ることが出来る。
あまり見ることのない、女性の泥臭さが
マギーのボクシングへののめりこみ具合をうまくあらわしていて
観ていて次第に彼女の世界に入り込んでいける。
そうして、彼女の世界に入り込んで
そのサクセスストーリーのクライマックスに・・・
かなりネタバレになるので、後ろに書きます(笑
この後は観てから読んで下さいな。


公式サイト
http://www.md-baby.jp/



<ネタバレ感想>
ガンガン感情移入させておいて、ようやく念願の成功・・・
と言う瞬間に見ている人誰もが予想外の展開。
それだけにその衝撃は大きい。
『人は誰でも一度は負ける』というスクラップの言葉から
負けることはあるかもしれないと思っていたけれど、
勝っていた試合に反則を喰らい、そのまま再起不能・・・。
ちょうど彼女との視点が重なって、勝った!と思い
まさしく喜びへの感動が湧き上がる瞬間に、
どん底に突き落とされる感覚。

さらにそこからの急展開。
今までお互いを信頼してきた二人のその後もすごい。
お互い家族のことを頼ることができないだけに、
それぞれの存在が本来の家族以上に大切なもの。
期待にこたえられなかったマギーと、
マギーの体、一生をメチャクチャにしてしまったフランキー。
マギーにはフランキーの気持ちが手に取るようにわかるからこそ
彼の前では笑顔を作る、辛い顔を見せないように。
スクリーンの上で作られる笑顔がまた辛い・・・。

そして自分の生をまっとうしたと感じ、
これ以上の意味を見出せなくなり死のうとするマギー。
最後にそのマギーの死を助けるフランキー。
よく聞く、「君の幸せのためなら自分を犠牲にできる」と言う愛の言葉
これはそれに似た最後の手段の一つなんだろう。
死ぬことが愛する人の幸せならば、死なせることが愛の形。
言葉にしてしまうと陳腐で胡散臭い言葉だけれども、
キリスト教徒の彼にとっては、自殺することも
人の死を助けることも大罪。
自分の信仰を犯してまで、自分の犯したと思ってしまった
2つの罪の償いをするフランキーもまたつらい。
死にたい人を死なせるのがその人のためなのか、
それとも生かすことがその人のためなのか。
色々な物語で描かれつづけているけれど結論は出ないだろうし、
それを決めるのはその状況に関わった人々だ。
それを重く、そして静かに見せてくれる映画だった。

もちろん序盤〜中盤のサクセスストーリーの出来も良いし、
ボクシングシーンも爽快だ。
だけれどもそういう表の派手な部分とは正反対に
スクラップが淡々とそして悲しげに語る部分、
予告編では描かれなかった部分にこそ、
この映画の本質があるはず。
人の愛やら、死やら、罪やら、
何が正しいのか一つの答えは出なくとも、
その人が出した決断はとても重いもので
どんな答えを出すにしても苦しまなければならないと、
そう教えてくれる作品のようなきがする。

鳥肌物の作品だった。

『ミリオンダラーベイビー』は9(/10)点

...2005/06/11(sat) No.587
   映画:『イン・ザ・プール』

同名小説の映画化。
トンデモ精神科医の伊良部一郎。
子供みたいで人を振り回し続ける伊良部が、
いつのまにか訪れた人の心の闇を解消していくと言う映画。


キャストが好きだったのと、同著者同キャラクタ小説の
テレビドラマ化作品『空中ブランコ』が面白かったので
この映画を観るにいたる。

全体的には精神病患者を通して、
多くの人が持っている部分をより強調して描くことで
ブラックな笑いを笑いながらも、ちょっと共感してしまうという
笑っているのに、どこか人事ではない変な笑い。
伊良部にかかっている患者は勿論現代的な心の闇を抱えるけれど
それ以外の登場人物もみんなどこか変。
この映画を観ていると自分もどこか変なのではないか、
自分だけでなくこの昔と大きく変化を遂げた日本に住む人々
みんなどこかおかしいのではないかとさえ思えるようになる。
でも、何が異常か何が普通かなんて物は結局多数決。
異常だと思えるものが、大多数を占めていれば
それは異常ではなくそれが一般になってしまうのかもしれない。
そういう意味ではこの映画の中でひときわ異常に思える伊良部。
だけれども、どこかおかしな登場人物しか出てこないという
この映画の中で一番一般的なのは伊良部なのかもしれない。

伊良部が診る患者は、何故か常に勃起をしつづける男や
ガス、鍵、電気等々でかけると異常に気になる脅迫観念の女、
毎日プールに入りつづけたことで、プールに入らないと中毒症状が出る男
と、どれも精神的な闇を抱える人たちばかり。
でも、脇役として登場する人たちも、みんな変。
その変が映画の中では笑いになっているのだけれど、
実際には精神病院やらカウンセリングやらが必要な人って
本当に多いのではないかと思う。
ひきこもりやら、少年犯罪やら色々と騒がれているのも
いわゆる心の闇が無関係でないのかもしれない・・・。
勿論そういう人ほど自覚症状はないのだろうけれど・・・。

自分ももしかしたらそういう側面はあるのかもしれない。
とりあえず社会生活に支障をきたすまでは現状維持で・・・。


映画としてはブラックユーモアや下ネタなど、
笑いに好き嫌いはあるけれど、個人的にはかなり笑えた。
でも、テレビ版の方が好きだったかも。
テレビ版の方が、伊良部の行動が患者の治療につながっていた気がする。
原作未読者の感想だけれども。

どちらにしても原作を一度読んでみたいなぁと思う作品だった。
深い部分は見えていないのかもしれないけれど、
それでも笑って楽しめる作品だった。

『イン・ザ・プール』は7(/10)点

公式サイト
http://www.inthepool.jp/

...2005/06/11(sat) No.588
   飲み

今日は知り合いと一緒に飲み。
IMEだとこえど3文字で変換しても
小江戸とでてこないこと判明・・・川越頑張れ!芋!芋!

久しぶりにきた川越は色々と変わっていた。
フレッシュネスバーガーが出来ていたり、
おもちゃ屋さんがつぶれていたり!!
本屋のレジ横にはアキバ関係の本が詰まれているし!
大丈夫か川越!!

今日は友人のバイト先でDVDを安く売っていたのを
買って持ってきてもらった。ジョニーデップワーイ!
なんか一回しか会ってないのに、メッセで話しているせいか
あまり一回しか会っていないという感じがしない(笑

とりあえずは飲み屋に。
腹ペコ状態だったので、二人とも飲みよりも食い。
何はなくともひとまずガツガツと食べる。

専門学校話なんかで盛り上がる。
そういえば、学校時代の友達以外で、
同じ年の友人ってあんまりいないかも。
なんにしてもそうだと思うけれども、やっぱり勉強するには
環境が凄く大事なんだなぁ。
やっぱり勉強をしようと思っても、
そういう環境じゃないところに置かれてしまうと、
自分の思うとおりに動くのは難しい。
自分にあった環境を探すことも、勉強するための重要なステップ。
別の職種で、同い年の友達との話も面白い。
そのうち有名人になったらサインください(笑

そして勉強してそのうち受けたいな、と思っていた資格試験。
なんと、この6月にうけると言うことを聞いてビックリ。
受けおわったら、色々と聞こう。そして僕も受けよう。

そしてさりげなく見ている昼ドラ話やら、恋愛話やら。
最近会ってない知り合いの人たちの話やら。
あぁ〜、みんなに会いたいなぁ。

んで、適当に歩きならがスタバでコーヒー買って
夜の川越を徘徊。といってもホントに歩いただけ(笑
久しぶりに会って色々な話が出来てたのか知ったディス。

でも、アレだよ、彼氏持ちが男とサシでのみとか良くないよ!
いや、別に何かするとかそういうわけじゃないけれども、
彼氏さんが心配するよ!
・・・と言っておきました。・・・つーか、サシとは思ってなかったよ!
楽しかったけどさ〜(笑

...2005/06/20(mon) No.589
   のだめ占い

千秋様だそうです。
ほうほう・・・。

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あなたは【千秋さま】タイプです。

天性の才能に、たゆまない努力と向上心を持ち合わせているあなた。
ときに悩みながらも着実に前進していこうとするあなたは、『のだめカンタービレ』のキャラでいうならば【オレさま・千秋さま】がぴったりです。
生まれ持った才能に、さらなる努力を重ねていけば、確実にあなたの頭上に太陽が輝く日がくるでしょう。
自己中心的な面があり、クールですが、なぜか圧倒的なカリスマ的人気を得やすい魅力の持ち主です。
自分の常識で理解しがたい相手を身のまわりに置いておくことで、さらなる壁をぶち破ることができるでしょう。

キャラ紹介:千秋真一
ピアニスト・千秋雅之の息子にして、音楽界の若き貴公子(笑)
バイオリンとピアノの腕もプロ級でありながら、敬愛するヴィエラ先生をめざして指揮者になる夢を日々精進中。
オレさまで自己中にも関わらず、圧倒的な人気を誇るが、のだめにはなぜか振りまわされっぱなし。
飛行機&船舶恐怖症だったが、のだめの催眠術によって飛行機のほうは克服。いざ、世界へはばたかん!
そして変態の森へようこそ?


天賦の才能  100%

野心  41%

勤勉努力度  100%

天然ボケ度  100%

-----------------------------------------------------------

のだめ占いはコチラ

...2005/06/23(thu) No.594
   映画:『HINOKIO』(試写

今日はHINOKIOの試写に。

事故で下半身が動かなくなってしまい、部屋に引きこもる覚。
ロボット工学者である覚の父は、覚にロボットを与え、
それを遠隔操縦させ、悟にロボット登校をさせる。
急に学校にきたロボットになじめないクラスメイトが、
次第にロボットを通して、ロボットの向こうの覚と心を通わせる。
そして覚は・・・ という感じのお話。

引きこもり、ゲームジャンキー等々少しだけ現在の問題を取り入れつつも
子供向けのファンタジー映画に仕上がっている感じ。
子供向けだから色々ツッコミどころはあるかもしれないけれど、
この世界に引き込まれて、登場人物に感情移入しながら映画を楽しめば
かなり楽しく観られる映画。
結構クライマックスでは泣きそうになってしまった。
要は子供心で楽しめ!と。
本当に子供から大人まで楽しめる映画。
ちょっと途中で生々しくなりそうで不安だったけれど、
そこは大人は想像で生々しくしてくださいって感じで乗り切ってた(笑

覚の操るロボット、あだ名ヒノキオ。
このロボットが結構リアル。
きっと模型とCGときぐるみ(手だけ?)とを混ぜて撮影しているのだろうけど
どこまでがCGなのかよくわからないくらいの出来。
まぁ、勿論CGとわかるシーンはあるけれど、普通に違和感なく
ロボットが動いているので、変なチープさとかがほとんどない。
そしてこのロボット、よく動く。しかも人間っぽく。
予告編でも少しでているドラムシーンや、喧嘩(格闘?)シーンは
なんか観ていてちょっと個気味いい感じ。
なんか思わずおぉーといってしまいそうな(笑

この映画の見所は子供の無謀で短絡的な直情的な行動。
どんな事だって信じられる子供ならでは、
自分の思ったことに素直な子供ならではの行動が勘定を揺さぶる。
自分の大切な人のために、自分のできることをする。
それが危険なことでも、非現実的なことでも。
子供だからこそできる真っ直ぐな行動に心を打たれた。

中性的なジュンのキャラクタも面白かった。
男も女も惹き付けるジュンの魅力。
でも、放課後の笛のシーンはちょっと笑いそうに(笑
このシーンは少しやばいんでないかい?

基本的には子供向けのファンタジーに変わりはない。
真面目に現実的に観たら突拍子もない話かもしれないけれど、
やっぱりなんでも信じることが大事。
真実は一つかもしれないけれど、何が真実かは
きっと人それぞれによって違うんだろう。
だったら自分が信じて後悔のないものを信じたい。
そんな気持ちにさせてくれる映画。

最近の邦画はなかなかよい作品が多いけれど、
このHINOKIOも結構あたりだったかも。

『HINOKIO』は8(/10)点

公式サイト
http://www.hinokio-movie.com/

...2005/06/28(tue) No.593
   映画:『逆境ナイン』

逆境とは 思うようにならない境遇や不運な境遇のことをいう!!

逆境に燃える男不屈闘士。
彼の立たされている状況はまさに逆境!
万年予選一回戦敗退の野球部を10日以内に
春の選抜優勝校に勝利させなければこの野球部は廃部!
不屈はこの逆境を乗り切ることができるのか!!?


原作がもぅとても馬鹿馬鹿しくてそれでいて超熱い島本作品。
まさかコレを映画化してしまうとは!!
原作に負けず劣らず、演出が無駄にど派手!
何を言ってるんだ、アンタは!と、言うようなセリフも
ド派手な激しい演出で、すごい一言に変えてしまう演出!
そこに熱さを感じる!熱い!

主演のガオシルバーこと玉山鉄二は割とよかった。
でも高校生というにはちょっと微妙かなぁ・・・などと思ったり(笑
ただ、やっぱり原作の無駄で無駄で無駄な熱さには一歩劣らなかったか・・・。
ただイケメン俳優が滑稽な演技をする様ってなんかいい!親しみが湧く。
『コレだ・・・コレが逆境だ・・・』


そして映像の特殊効果がまたいい感じ!
無駄に熱い演出をするための演出!
そして、そのモーションや演出が見ていて気持ちがいい!
動きや効果などが観るのに気持ちよい感じで作ってある!


もったいないのは笑える部分が多い映画なのに、
笑える部分を予告編でいっぱい見せてしまっているというところ。
勿論予告で見せてないところも数多くあるけれど、
予告編で見せないでよー!という感じ。


それにしてもかなり熱かった!
上映中は結構笑いっぱなし。
どうでもいい馬鹿映画で笑いたいという人、かなりオススメ!
たまには頭空っぽにしてみましょうよ

『逆境ナイン』は8(/10)点

公式サイト
http://www.gk9.jp/