...2004/02/01(sun) No.331
映画:『ニューオーリンズトライアル』 |
映画:ニューオーリンズトライアル 劇場:GAGAHUMAX4(池袋) 同行:専門時代の友人BJE君、哲夫君
-この審判(トライアル)はプライドの殴り合い- (キャッチフレーズより
日本でも近い将来陪審員制度が始まるかも、と言うことなのですが、陪審員を扱った映画、『ニューオーリンズトライアル』観てまいりました。
夫を銃殺された未亡人が、銃の製造販売メーカーを訴えた。原告側、被告側の弁護士は陪審員コンサルタントを雇い裁判を有利に進めようとする。しかし、双方の陪審員コンサルタントの元に一通の封書が届く。「陪審員の票決売ります」・・・という感じのお話。
映画を見る上での知ったか知識−−−−−−−−−−−−−−− 陪審員制度ってのは、日本で裁判官がやっているような事を、一般市民から選ばれた何人かの人達の多数決によって決めるような制度のことです。弁護士じゃなく一般市民が罰を決定する制度みたいなものですね。
ちなみに、陪審員コンサルタントとは原告側・被告側の弁護士と協力して陪審員の承認でより自分側に有利な陪審員を残したり、陪審員を調べてどういう弁論をすれば自分側に傾くかなどということを分析したりするものらしいです。これ自体は別に違法ではなく、普通に行われる事のようです。
(あ・・・あってますよね?) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
原告側、被告側、そして票決を操作しそれを高額で売ろうとしている人間。この三つ巴のやり取りがかなり面白い。原告側と被告側の駆け引き、票決を売る側買う側の駆け引き。自分たちの見えないところで、相手が何をしているのかわからない分相手が何をしているのかを探ると同時に、こちら側の行動を相手に見せなかったり、またわざと見せたりするという駆け引きが非常に面白い。ラストを見た上でもう一度見ることで、いろいろとなるほど〜と思える演出等もありそうですね。
主演のジョンキューザックが中々良いです。なんか最近この人好きかも。『アメリカンスイートハート』やら『セレンディピティ』というロマンティックコメディのイメージがあったのですが、今回や『アイデンティティ』の時のような役もこなすなど幅広いのですね。もうすぐ公開の『アドルフの画集』にも期待・・・。って他の作品タイトル引っ張ってばかりだ・・・。 今回は陽気なゲーム店店員を演じる陪審員を演じていました(ややこしいw)。陪審員の中に入り陪審員の票決を操る、深みのある役どころを見事に演じていたのではないかと。
また、自分は陪審員制度については軽く知っていたくらいだったので、見る前には陪審員コンサルタントやらなにやらよくわからなかったのですが、ストーリーをすすめながらそこらへんも比較的わかりやすく示されていて、序盤でストーリーを楽しむための知識は充分に理解できます。陪審員制度がない国への配慮もできてます(笑)
それにしても、こういう駆け引き系ストーリーは役者と脚本がよいと本当に面白い。陪審員物といえば『12人の怒れる男』(でしたっけ?)が思い当たりますが、あれはなんかアンタら探偵か・・・?という感じですが、原告側と被告側と第3勢力(勢力じゃない)の駆け引きを描いた本作は秀作です。いや、12人・・・も面白いですが。 特に、駆け引きの中で原告、被告のどちらかに傾いている陪審員を陪審員承認の際に外したり、それを隠したり、公判中に味方につけたり、脅したり、さらに陪審員から外してしまったり、相手側の調査をしたり・・・あまり詳しく言うとネタバレになってしまうため控えますが、物語が進むごとに逆転の連続でかなり緊張感のある展開。アクション物などとは違う、ハラハラドキドキが味わえます。 先ほどあげたジョンキューザックに、ベテランのダスティン・ホフマン、ジーン・ハックマン、それぞれがよい演技バトルを繰り広げています。個人的にはダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンのトイレでのシーンが好きです。火花散らしまくりです。
ドキドキする緊張感漂うストーリーがかなり良かったです。満足。 『ニューオーリンズトライアル』は9(/10)点です。
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